2021年5月7日金曜日

「科学実践の基盤的活動とシャドウ・ワーク」研究会のご案内

「科学実践の基盤的活動とシャドウ・ワーク」研究会のご案内です。

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科学研究費基盤研究(B)で現在行っている「科学実践の基盤的活動とシャドウ・ワーク」プロジェクト(代表:日比野愛子)関係の研究会を開催します。

このプロジェクトはさまざまな科学技術領域を陰で支えるインフラ的努力について、特にその影の部分に着目して比較検討するものです。

下記の『予測がつくる社会』研究とも関連します。 https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/E_00130.html

発表者の吉田さんはインドネシアで長期間、ゴミ問題の文化人類学的研究を行っておりますが、科学におけるシャドウ・ワークという概念が、 ダーティ・ワーク、インフラ的行為とはどう違うのか等、興味深い論点をご提示いただけると思います。

御関心のある方は下記連絡先までご一報ください。ZOOM URL をお伝えします。

 [話題提供者]吉田航太(東京大学大学院総合文化研究科 博士課程)

「制度化されたシャドーワーク?:エスノグラフィーから見る廃棄物処理業への主観的価値付け」

;本報告では科学実践におけるシャドウ・ワークの様態を照らしだすことを目的に、科学以外の領域でシャドウ・ワークに類似したものとして廃棄物処理という仕事を検討する。

近代の公衆衛生の確立以降、大量の廃棄物を運搬して投棄する仕事は社会に不可欠なインフラとして確立してきた。

 ゴミを扱うという文字通りの「ダーティ・ワーク」であるが、科学実践における周辺的活動と比較すると、廃棄物処理は労働の価値や尊厳をいかに維持していくのかという問題が明示的に焦点となってきた。

そのため、廃棄物処理という労働は価値の面からも制度化がされており、従事する者の葛藤がある程度の範囲に留まっていると言うことができる。

 このダーティ・ワークの安定性という観点から、アメリカやブラジルの廃棄物処理に関するエスノグラフィー的研究や報告者自身が調査してきたインドネシアのゴミ処理の事例から、ゴミという負の価値という主観的経験がいかに制度的に取り扱われているのかを論じる。

 

[日時]2021517日(月)13時〜15時半(予定)

[場所]Zoomでのオンライン開催(参加申込いただいた方に詳細ご案内します)

[参加費]無料

[参加申込先]maxiomjpあっとyahoo.co.jp(福島真人宛)

(情報提供者 日比野愛子)